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History

TiDANEFAを始めるに至った経緯をご紹介します

L’Histoire~「マクロビオティックスイーツで生きていく」私にそう決めさせたスイーツ

お菓子作りを始めたのは小学生のころ。いつもおやつを作ってくれた料理上手の母の影響でした。それからずっと、仕事としてではなく趣味の延長で、フランス菓子を中心に研鑽を積んできました。縁あって数年前に製菓専門学校に就職したことがきっかけで、お菓子が仕事となりました。

生まれつきのアレルギー体質で、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などにずっと苦しんできたことが、ここで私に大きな課題を与えました。未来のパティシエたちに、食物アレルギーの講義・実習を担当することとなったのです。どんな風に指導するか暗中模索する中、マクロビオティックに出合います。とにかく学んでみようと、マクロビオティックスイーツのスクールでその基礎を習得しました。
興味を持つとどんどん突き進んでしまう性分も生まれつき。さらに、その上のコースに通うことにしました。

調理

けれどその頃は、教員生活はとても充実していたものの、人生の折り返し地点を過ぎたこれから、どんな風に生きていきたいのか分からずに、もやもやした気持ちで過ごした時期でもありました。

教員になるまでの間は、別の仕事を続けながら興味の向くままに色々なことを吸収してきて、知識だけは増えてきたけれど、健康上の理由で何もできない時期、引きこもりの時期も断続的にあり、思うように形にすることができない、そのパターンの連続で焦りも感じていました。貯めてきた知識や経験、無駄になってしまうのかな?そんな不安をずっと引きずっていたのです。
そのコースの卒業課題は、「自分のアイデンティティをスイーツで表現する」というものだったのですが、それさえなかなか決まらずに、毎日悩み続けていました。

そんなあるとき、スクールに向かう電車の中で、突然頭に浮かんだのが「オペラ」でした。まさに天から舞い降りてきたかのように。
もう長いこと作ってもいないし、食べてもいない、記憶の奥の方に追いやられていた大好きなケーキの一つ。なぜ唐突に脳裏に現れたのか不思議です。
「異なる味が10層ほどにもなる薄い層の重なり、それらすべてが融合して一つの味として表現されている。。。私はこんな風になる日を信じて進んでいたんだ!いえ、私そのもの?! そうだ!マクロビオティックでオペラを作ろう!」
久しぶりに胸が高鳴るのを覚えました。その時の感情はいまだに鮮明に蘇ります。すぐに試作を始め、味や食感、香り、組み立てたときの姿まで、満足のいくものにたどり着くまで、何度作ったことでしょう。期限までの間、実に濃い日々を過ごしました。

私のアイデンティティ

そしてようやく完成。
つけた名前は、
L’Histoire (【仏】リストワール=歴史)
これまでの経験や知識が積み重なって今がある。ひとつも無駄なものはなかったことをようやく認めた瞬間でした。何かが欠けても今の私ではなくなってしまう。一つ一つは直接結びつかなくても、それらすべてが「今の私」を形作っている。私の歴史。それを表現しているのがこのL’Histoire(リストワール)。ガナッシュやクリーム、ビスキュイ、シロップ、グラサージュ、すべてが融合して一つの味になっているのです。

L’Histoireが完成したとき、「私はマクロビオティックスイーツで生きていこう。」 心からそう思ったのでした。 TiDANEFA-ティーダヌファ-立ち上げの約半年前のことでした。

リストワール

進化し続けるL’Histoire

そのスクール併設のケーキショップには、その後、私のL’Histoireが販売されていると聞きました。多くの方に、召し上がっていただける幸せは、ちょっぴりくすぐったい感じもしました。今はもう閉店してしまったと聞き、とても残念です。

でも今のL’Histoireは、あの時とは違っています。あれから私もさらに色々なことを経験し、吸収し、変化し、それと共にL’Histoireも味やテクスチャーが少しずつ変化し、層も少し増えているのです。だってL’Histoireは「今の私」だから。
いつの日か、皆様にL’Histoireを召し上がっていただきたい。進化し続けるL’Histoireを楽しんでいただける、優しい空気に満ちた場を得られるよう、これから頑張っていきます。

人生、何がきっかけで動き出すか分からないものですね。私にこのような人生後半の生きがいを与えてくださったのは、数年前に製菓専門学校の教員に採用してくださった学園長先生、校長先生です。個人的な生活環境や体調についても理解してくださり、働きやすい環境を与えて頂けたからこそ、続けることができました。本当に幸せなことです。その後、応援してくださる多くの方々との出会いがあってTiDANEFAは生まれました。これらの数々の出会いは、振り返ると奇跡のように思えます。

ここ数年間、「感謝」の気持ちで心が満たされています。誰かに、何かに感謝できること、これ以上の幸せはないのかもしれません。この想いを忘れずに、これからもっともっと精進していきたいと思います。